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ショパンランドコンクール

 今年から始まった新しいコンクール「ショパンランドコンクール」の東京予選が今日行われ、教室から二人の生徒が参加しました。

 

 このコンクールはブルグミュラーコンクールやピティナピアノコンペティション、日本バッハコンクールなどを主催する東音企画さんが、ポーランドの楽譜出版会社PWMさんとの共催で開催される、第一回目のコンクールです。

 

ショパンランドというだけあって、ショパンを生んだポーランドの様々な作曲家の曲が課題曲に選ばれていて、新しい出会いがたくさんあるコンクールとなっています。

 

 今回挑戦することになったのは、小1のFちゃんと中1のUちゃん。

 

 Fちゃんは今年5月のヨコハマジュニアピアノコンクールの入賞者記念演奏会で初めてショパンを弾きましたが、今回はF.リビツキという作曲家の「On the Pond」を選曲しました。短いけれどロマンチックで素敵な曲です。

 Fちゃんがこの曲に慣れてきたころ、曲のイメージを絵に描いてもらいました。途中でクラゲが出てきます。どうやら家族で行った水族館でみたクラゲが印象的で、それを盛り込んでくれたみたいです。その部分は「起承転結」の「転」にあたる部分なのですが、Fちゃんはここでよりレガートに弾いています。クラゲの雰囲気を出しているそうです。池の中にクラゲ…大人なら思いつかないような発想ですが、イメージが決まったことで演奏もどんどん変わってきます。今日の予選ではその思いをたっぷり込めた演奏で、見事予選を突破しました。

 

 中一のUちゃんは、去年ショパンコンクールをオンラインで見て以来、ショパンが大好きになってずっと弾きたくて仕方なかったピアノ大好きさん。思い切ってこのコンクールに挑戦することにしました。

 課題曲に選んだのはショパンのエチュードOp.25-2です。中学生になって部活も始まり、忙しい毎日の中を本当に毎週感心するほどよく練習してくれました。

 Uちゃんは転勤族とうこともあって、3年前に私の教室に来てくれた時はまだ片手ずつしか弾かないようなごく初歩の教本を使っていたのですが、明るく素直な頑張り屋さんの性格と豊かな感性、そしてご家族皆さんの熱いご協力で、そこから2年でショパンのエチュードを弾くまでになりました。驚くような成長ぶりです。今日の演奏もうっとりするような美しい音で弾いてくれました。

 

 Uちゃんも最初からこの曲にいろいろなイメージを持ってもらいました。男女の愛と破局そして別れ。はたまた澄んだ水の小川の流れなどなど。イメージがうまく捉えられるとUちゃんの弾く曲の表情も変わっていきます。心に感じた思いを音に変えられるのは、Uちゃんの長所だと思います。

さすがに中学部門はレベルも高く、残念ながら今回は予選通過はなりませんでしたが、今1年生なので中学部門としてはまだまだこれから。今日の手ごたえをバネに、今後また飛躍的に成長してくれると期待しています。

 

9月~11月はブルグミュラーコンクールに参加する生徒さん、そして来年1月はヨコハマジュニアピアノコンクールと、生徒さんの果敢なチャレンジが続きます。

気温は少しずつ下がっては来ていますが、教室のレッスンはどんどん熱くなっています。