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夢のアルゲリッチのコンサート

10/1、待ちに待ったマルタ・アルゲリッチの東京公演。朝起きてからこの夜の公演までの時間の流れの遅いこと。いつもは忙しくて一日が過ぎるのがあっという間なのに、この日ばかりはのろのろとカタツムリのように過ぎていきます。遂に待ちきれなくなって16時過ぎには家を出てしまいました。

 

サントリーホールは実に久しぶりです。もう20年くらいは来ていないでしょうか。もうどうやって行ったのか道順さえも覚えていないので、グーグルマップに連れて行ってもらいます。

開場の30分以上前に着いたサントリーホールは眩しいくらいに都会の夜を彩っていて、今日ここで行われるコンサートに胸躍らせる人々が、早くも入り口に集まっていました。

 

開場は18:30だったのですが、念入りにリハが行われていたのか実際に曲席に入れたのは18:50を過ぎてからでした。でも誰も文句を言うことはいません。客席はあっという間に満席の聴衆で埋め尽くされました。

 

10分押しでコンサートがいよいよ開始。今日は酒井茜さんとのピアノデュオです。モーツァルトから始まり、スクリャービン、プロコフィエフと多彩なプログラムが始まりました。

演奏が始まると、今まで音のなかったステージが饒舌にしゃべりだし、歌いだしたかのように音が命を噴き出していきます。

赤や紫の色がグルグルと渦を巻いている。金粉がキラキラと天井から舞い降りてくる。大きな流れに身を任せて流されるままに運ばれてゆくと、激しい滝つぼに落とされて溺れそうになる。そんな情景がどんどん目の前に広がるような音の洪水。そして正確なテクニック。これが本当に80歳近い人の演奏なのかと思うほど、エネルギッシュで抒情的で頭脳明晰な演奏です。

圧倒的な時間でした。最後は感動した観客がスタンディングオベーション。

 

来てよかった。一生に一度は聞いておきたかったアルゲリッチの演奏。

今日の演奏を聴いて、自分の感性もより一層刺激を受けたようにおまいます。これからは一流の演奏会にもっと足を運ぼう。そう決心した私は、帰るなり来年2月のイーヴォ・ポゴレリチと辻井典行さんの演奏会のチケットをゲットしたのでした。