昨年のピティナピアノコンペティションで特急グランプリに輝いた角野隼斗さんのコンサートに行ってきました。
角野さんは東京大学大学院の1年生。コンペティションが終わった直後の9月から先月1月末までフランスのソルボンヌ大学に留学され、昼間は研究を重ねながら深夜までピアノを練習する毎日を過ごされていた、大変な努力家のピアニストです。
そんな角野さんのピアノが聞きたくて、お昼休みの1時間だけのコンサートなら午後のレッスンまでにギリギリ帰ってこられると読んで白寿ホールのサロンへ行ってきました。
開場1時間前に着くと、もう数人の方が並んでいらっしゃいましたが、それでも最前列に席をとることができました。プログラムは
ラベル「水の戯れ」
ショパン「ピアノ・ソナタ第3番」
フォーレ「ノクターン 第6番」
スクリャービン「ピアノ・ソナタ第5番」
アンコールにラベル「亡き女王のためのパヴァーヌ」
でした。
常にどこか冷静さを失わない明晰な演奏でしたが、心には熱く燃えるものを感じ、その息遣いも1列目の私まではっきりと聞こえてきます。立体的で縦横無尽に駆け抜ける音楽は、こちらの魂まで揺さぶられるようで、本当に素晴らしい演奏を聞かせていただきました。
高度な技術を要する曲でもピアノに振り回されない冷静なコントロールは、とても勉強になりました。
帰り道、午後からのレッスンに間に合わせるため、どこにも寄り道せずお昼すら食べずにまっすぐ帰ってきたのですが、お腹も空かずただ早くピアノが弾きたいという思いでいっぱいでした。
これからぜひ角野さんを応援していきたいと思います。