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ベヒシュタインでドビュッシー

 今日は汐留ベヒシュタイン・サロンでドビュッシーのピアノコンサート。初めてのホールですが、とても素晴らしい音のベヒシュタイン フルコンサートグランドがあります。

 

 今日はそのピアノで菊池裕介さんによるオールドビュッシープログラム。次々とドビュッシー特有の印象派の素敵な曲が飛び出してきます。

ベヒシュタインの繊細な音が、またそれを忠実に見せてくれました。音楽は聴くものですが、菊池先生の手にかかると、まるで映像のように目の前に様々な世界を見せてくれます。

 

 「雨の庭」という曲は、本当は「庭」ということではなく、雨が上から降ってくる場所という意味だそうです。最初は降り始めの雨が時々塊のようにザーっと降ってきたり横風も加わったりする中で、ふと明るい音になることがありました。その瞬間だけ日が差してお天気雨になったように感じました。

  

 アンコールは「ゴリウォーグのケークウォーク」グロテスクな人形がコケティッシュな動きで見る人を笑わせ、芝居がかって壮大にワーグナーを歌う様子でお客は大笑い…、そんな風景が目の前で繰り広げられ、こちらも思わず笑ってしまいそうです。

 

 大いに楽しんだ後、そっと売り場のピアノに触ってみると、本当に微妙なタッチまで再現してくれる素晴らしい響き。ドビュッシーが愛したこのピアノで今日はたっぷり楽しませていただきました。