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コンクールのリハーサル

 7月中のコンクールに参加する生徒さんたちのために、ピアノギャラリーのD教室にあるベヒシュタインを借りてリハーサルをしました。

 生徒の皆さんはそれぞれ当日の衣装を着て本番さながらです。ベヒシュタインのピアノを初めて触る子供たちは、その鮮明な音に驚いていました。

 

まずは一人ずつ演奏をしてもらいます。最初は私からも何もコメントしません。本番は一回きり。その状態を始まってすぐのまだ会場にそれほど馴染みのない状態で弾いてもらいます。

 

そのあとは一人ずつ短時間ですがレッスンしていきます。演奏する曲に何を感じているか、どういうイメージを表現しようとしているかがポイントです。

生徒たちの弾く曲はそれぞれ表題がついていて、イメージしやすくなっていますがまだ幼くてイメージがわかない場合には、私も一緒に考えて一つのイメージをまとめていきます。何かイメージができている子には、それを表現するための演奏方法の指導をしていきます。ポイントを押さえた子供たちの演奏がどんどん変わっていくのを見るのは、私にもとても楽しいことです。

 私は、普段の練習の時に思い出せるように、楽譜への書き込みが多いので、生徒たちの楽譜は書き込みで真っ黒です。さらにその上に付箋で書き込みが上書きされ、何が何だかわからない状態かもしれません。

 私の先生もそういう先生だったので、似てしまったかもしれませんが、後から見直しても「ああそうだったのか」と改めてわかることがあり、私にとって真っ先黒な楽譜は宝の山です。

 

 楽譜通り間違えずに弾くだけではなく、それ以上の表現する楽しみを、今回はベヒシュタインを使って存分に楽しんでいただきました。

一つの曲にじっくりと取り組み、深い表現力を養っていくことがコンクール出場の一つの大きな目標です。

ステップとはまた一味違ったコンクールのステージで、真剣に演奏を磨いてきたお友達の中で演奏し、審査員の先生方から自分の演奏に対する評価を頂く貴重な機会です。これが皆さんへの大きな成長につながることは間違いありません。一緒に頑張りましょう。