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一ノ蔵男声合唱団定期演奏会

21日(土)、私が28年間伴奏をさせていただいている一ノ蔵男声合唱団の18回目の定期演奏会が行われました。このところずっと鎌倉芸術館で開催していたのですが、今年は改装中だったため、なんと至近距離の磯子公会堂での開催。交通の便もよかったせいか、大変多くの方にお越しいただき、文字通り満席となりました。

 

 男性合唱はアカペラ(無伴奏)の曲が多いのですが、今回はアカペラだけではなく、ピアノ伴奏がバッチリ入る曲目もプログラムに入っていました。

この合唱団は30年以上前に数人のメンバーで始めたのですが、その時からプロの指導者を置かず、団内指揮者を立ててやっています。それも歌うジャンルが増えるごとに指揮者も増え、今では4人に。そのためステージも4ステージあり、それぞれの指揮者が持ち味を生かした曲を披露しています。

 

今回の1ステージは外国曲。男声合唱で歌われる曲として有名なU Boj(ウボイ)も今回は言語のクロアチア語でチャレンジしました。

2ステージは昨年度末に惜しくも亡くなられた男声合唱の作曲家、多田武彦先生の組曲「木下杢太郎の詩から」。多田武彦先生は一ノ蔵男声合唱団をとてもかわいがってくださり、団歌を2曲も作曲してくださっています。

3ステージは企画ステージとしてステージを新規オープンのレストランに見立て、女性3人のお客様を迎えて芝居仕立てのステージ。「そうらん節」や「海その愛」「ステンカラージン」魔弾の射手より「狩人の合唱」、メリーウィドウから「女・女・女」などをドラマの中に組み入れました。実はこのシナリオは私が書いたので、私も肝いりで準備したステージでした。

4ステージは今を時めく信長貴富作曲の男声合唱とピアノのための「時代」という組曲。~ニューミュージックと呼ばれた歌たち~という副題で、グレープの「無縁坂」、荒井由実の「瞳を閉じて」、中島みゆきの「時代」ほかを演奏しました。

 今回歌った「瞳を閉じて」を荒井由実さんが作曲するきっかけとなったのは、長崎県五島列島の奈留島に住む高校生が、自分たちの奈留高校に校歌が欲しいとユーミンに手紙を送ったからなのですが、その手紙を送ったご本人が客席に来てくださいました。数奇なご縁でこのようなことになったのですが、おかげで大変に意義のある定演となりました。

 

難しい曲もたくさんありました。練習には1年半を要し、それでもうまくいかないところもありましたが、アマチュア合唱団として歌を楽しむ姿勢を忘れず、団員も指揮者もみんなで力を合わせて作り上げるステージは充実感に満ち、この上なく楽しいステージとなりました。お客様からの感想も好評で大変うれしく、来てくださった皆様に感謝でした。

 

演奏会の後は場所を変えて、これも恒例のお客様を交えての交流パーティー。このパーティーは第1回の定演からしているもので、最初はお耳汚しのお詫びにお茶とお菓子を出していたのですが、今では一ノ蔵酒造さんからお酒を仕入れたり、また差し入れしていただいたりして、旨酒を傾けながらの盛大なパーティーとなっています。毎回100名以上の方が参加してくださり、飲めや歌えやの大盛況。もちろんお客様からの忌憚のない演奏の感想を頂けるのもここ。最後は全員でいつも歌う「はるかな友へ」を歌って閉会しました。

 

今回の定演の大成功は、聞きに来てくださった方々、応援してくだった方々のご支援によるものです。心から感謝いたします。ありがとうございました。私も次回の定演に向けてまた努力したいと思います。