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東北支援

 ピアノ伴奏をしている一ノ蔵男声合唱団の主催で、宮城県は松山市にある一ノ蔵蔵元ツアーに行ってきました。一ノ蔵男声合唱団という団名は、普段練習後に反省会(?)の場所としてほぼ必ずと言っていいほど寄る居酒屋さんの名前であり、そこで飲むお酒の名前でもあります。ただ、勝手に名前を借りていては申し訳ないと、25年前に宮城県の酒造一ノ蔵さんを訪問させていただいて以来、毎年の行事になっているこの一ノ蔵蔵元ツアーは今年で25回目。例年では雪深い中を訪問するのですが、今年は全く雪のない暖かい2月となっていました。

いつものように歌で日頃の感謝を表し、酒造りの工程を見学し、お酒を試飲させていただいて社員の皆さんとの交流の時間を持たせていただきました。

 

実はこの交流がかの東日本大震災の時の東北支援につながっています。

一ノ蔵酒造の櫻井会長のご自宅が、一時震災の避難所になっていたことがあり、その後その方々が東松島市の矢本運動公園仮設住宅に入居されたことから、この仮設住宅への募金と義援金活動が合唱団内から始まり、「横浜歌の絆の会」の活動へと発展していきました。詳しくは「ハマ音合唱団」ホームページ内の「横浜歌の絆の会」ページをご覧ください。

 

さて、2/24は一ノ蔵さんでの交流会の後、被災状況と復興状況を見せていただくために、日和山公園に立ち寄らせていただきました。そこにはまだ復興途中の何もない土地や、かさ上げして新しい住宅ができている場所、かさ上げ途中のショベルカーが居並ぶ風景など、様々な思いを呼び起こす風景が広がっていました。当時の災害を思い起こすと、今でも胸が痛みます。

 

その翌日の2/25、久しぶりにま矢本の復興住宅「あおい地区」に寄らせていただきました。ここは自治会長の小野さんのもと、日本一住みやすい街を目指して街づくりに取り組み、実際2017年には「住みやすさ日本一の町」として東洋経済誌に掲載された街です。戸建て住宅の塀をなくし、家同士の隔たりを感じさせない広々とした感じが印象的です。

ここの集会所でミニコンサートをしてきました。当日は集会所いっぱいにたくさんの人が集まって下さり、一ノ蔵男声合唱団やアカペラの演奏、そしてハマ音団員による落語などを楽しんでいただきました。全員合唱では歌集から多くのリクエストをいただき、みんなで声を合わせて時間の許すまで歌い続けました。

 その後、皆さんとお昼をご一緒させていただきました。お弁当に加えて、手作りのノリの佃煮や海苔汁など土地の名物料理をご馳走になりながら皆さんとお話させていただき、7年前の震災の日のことから今の暮らし、将来のことなど今の思いをお聞きすることができ、大変貴重な時間となりました。

 

 さらにそのあと、この矢本の仮設住宅からも近い野蒜地区をご案内いただきました。ここでは県議会議員の高橋様から当時の様子をお話しいただいたり、被害の状況、現在の復興の状況などもお話しいただきました。県議自身も被災し、ご家族の多くを亡くされた辛い思い出を話してくださり、被災地のモニュメントとして保存してある旧野蒜駅をご案内いただきました。高台に移住された家や、元あった場所に建て直した新しい家々が立ち並ぶ復興の町を前に、この災害がもたらした複雑な思いを胸にしながら帰路につきました。