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上達するということ

私がピアノ伴奏をしている一ノ蔵男声合唱団の方が、歌の個人レッスンにお見えになりました。この方、入団前は歌の経験が全くなかったということで、音程をつけることからレッスンを始め、3年経った今は他のパートとのハーモニーを楽しめるまでに上達されています。

それでもまだ課題はあります。

まずは発声。お腹で支えることがなかなか身につかないので、息を吸ったら一旦止め、肩の力を抜いて、その状態を維持しながら歌うことを心がけてみます。するとお腹の支えができ、今までの小さくて届かなかった声にツヤが出て、響きも出てきました。
更に高い声です。音程が高くなってきたら喉を絞らず、息をたくさん使って前に弾みをつけ裏声を上手に混ぜると、苦しくない綺麗な声で歌うことができるようになりました。

ここまできたら、このコツを曲で活かすことが次の課題です。

今日は4月に定演で歌う曲の中から、中島みゆきの「時代」をレッスン。もう暗譜もしなければならないので、歌詞カードだけを見て、音符を見ないで歌っていただきました。歌詞がつくと、やはりさっきの発声がどこかに飛んで行ってしまいます。時折注意しながら音も歌詞も頭に入れていきます。暗譜は楽譜を外す勇気から。
この日のレッスンはここまででしたが、歌詞だけ見て歌うのは有効だったようで、練習のやり方を掴んで帰っていただきました。

一回のレッスンでみるみる上達していくのが見えるのは、こちらとしても嬉しいですし。大きな力になります。
上達は自分の演奏が変わることだと思います。今までのやり方に固執せず、歌が初めてのこの方のように自分の歌い方を変えてみること、ここに上達の秘訣があると思います。